■ 第2回 ■ 昔は“0”がなかったの?

  

ねえ、昔って0がなかったの

今使っている数字は、ヒンドゥーアラビア数字と言われているもので、初めは1~9の数字しかなかったよ。

  

なんで0がなかったの?

数は、もともと物の数を数えるときに使ったからね。スーちゃん、ここにあるりんごを数えてみて。

  

これぐらい簡単だよ。ええと、1、2、3。…あ、0は出てこないね、

そうだね。今使った数を、自然数と言うんだけど、物の数を数えるときに、自然と口から出てくるよね。この自然数には“0”は含まれないんだ。

  

それじゃあ、“503”みたいな数はどうしてたの?

漢字だと、「五百三」と書いて、十の位は何も書かなくても分かるけれど、数字だと“53”になってしまうね。“0”がないときは、“5 3”みたいに空白を空けたり、“・”を入れたりして表していたこともあるよ。

  

紛らわしいや。でも“500”だと、“5”になっちゃうね。

そうだよね。昔の人も困っていたみたいだよ。

  

いつごろ“0”が使われるようになったの?

7世紀のインドで、普通に“0”が使われるよになったんだよ。日本だと飛鳥時代だね。

  

すぐに世界に広がったの?

ヨーロッパには、13世紀にヒンドゥーアラビア数字が紹介されたけれど、当時はローマ数字という数字を使っていたので、あまり広まらなかったようだね。何世紀もかかったようだね。

  

そうなんだ。昔の人って、難しいこと知ってたのに、僕でも分かる“0”を知らないなんて不思議だね。


第2回