■ 第1回 ■ 九九はいつから使ってる?

スーちゃんは、九九は知っているよね。

  

もちろん。 いんいちが1、いんにが2 …

じゃあ、何で九九という名前なのかな?“アルファベット”や“いろは”みたいに、初めの言葉を使って、「一一」と名前をつけるのが普通じゃない?

  

本当だ。なぜ、最後の「九九」が名前になったんだろう。?

“九九”は中国で生まれて、朝鮮を通じて日本に伝えられたんだけど、もともとは「九九 八十一」から始まっていたんだよ。今とは逆だね。それで。“九九”という名前になったんだね。

  

そうだったんだぁ。日本では、いつ頃から使っていたの?

奈良時代の「万葉集」という歌集には、“九九”を使ったダジャレみたいな表現があるんだよ。たとえば、「二八十一」で「にくく」と読んだり、「十六」と書いて、「しし」と読んだりしてるんだよ。

  

昔の人もダジャレ好きなんだ。

今でも、「四六時中」という言葉があるよね。

  

うん。「しょっちゅう」とか「いつも」とかいう意味でしょ?

この「四六」って何だと思う?

  

あっ、「四六 二十四」だ。

そうだね。「四六時中」とは「24時間中」つまり「一日中」の意味なんだね。

  

他の国でも九九はあるの?

ドイツ語に「20×20」までのかけ算や、インドの「99×99」までの計算などがあるよ。

  

ええー! そんなに暗記できないや。僕日本でよかったよ。

江戸時代や、明治の初めころは、“半九九”というのがあったよ。

  

何それ? 半分の九九?

「3×4」と「4×3」は同じ答えになるから、一方だけを暗記したんだ。

  

そっちの方が楽でいいや。


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